
スポーツのチカラ Vol.3 雨の日のレース

「風になる」「風をきる」「風にのる」
車いすのアスリートたちが、レーサーと呼ばれる3輪の競技用車いすで走り、気持ちいいと思う瞬間。こんなふうに感じているそうです。選手によって表現は違いますが、皆、風を感じています。
車いすの陸上競技は、100m〜5000mのトラック競技とマラソン競技があります。レーサーのタイヤ幅は、わずか2cmあまり、全長1m80cm前後、カーボンファイバー製のフレームで総重量は7〜9kg。トラック競技では時速30〜40km、マラソン競技での下り坂では時速70〜80kmのスピードが出ます。
車いすレーサー競技は、風が大きなポイントになります。前を走る選手の後ろで、風をよけながら抜き出るタイミングをうかがう。長距離では、ローテーションで先頭を変えながらレースが展開されます。自転車競技のように、選手同士の駆け引きが勝負を左右します。自転車は足でペダルを漕ぐことで、前進しますが、レーサーでは車輪の外側に付いているハンドリムを手で漕いで前進します。このため、車いすレーサーの選手たちは、筋肉が発達した大きな上半身を持っています。
競技場では、選手の駆け引きに息を呑み、疾走するレーサーのカッコよさに魅了され、スピード感を体感することができます。
文・撮影 / 佐山 篤 全国スポーツ推進委員連合機関誌「みんなのスポーツ」2022年7月号掲載
